セミナー参加レポなのでweb雑記に記事をアップします
セミナー告知は出たけど、結局どんな内容だったんだろう?
聞いてみたいことが聞けるのかな?
不動産屋に無理に営業をかけられたりしないかな?
などなど、不安や疑問がある方も多かったのではないでしょうか。
セミナーや相談会の告知はあっても、その後の報告ってあまり見かけないので、
(参加者側ではなく業者側目線ではありますが)
ちょっとだけ内容のご紹介レポートです。
1部:空き家利活用セミナー
不動産屋は9時から集合して、後半の相談会の物件確認とミーティングを行いました。
普段、1社のみで対応を考えるのですが、この日は5社6名の不動産屋が集まったため、自分にはない視点の意見が新鮮でした。
セミナー&相談会は2部構成で、1部9:30~10時までは空き家利活用セミナーでした。
9:30~9:45
講師:
由利本荘市移住支援課の長谷部さん。
・ここ数年の空き家バンクの登録&利用状況
※相談件数は年々増加している
※手放したい相談より、空き家利用希望の問い合わせが多い
※購入希望より賃貸希望が多い
・難しい物件でも「低価格」や「景観」など、良い点に着目してもらって物件が動いた事例の紹介
・老朽化してしまう前、早めの行動が良い
・空き家の需要は多様なニーズがある。
・いろいろやってみないとわからないので、手放したい方はぜひ相談してほしい
私も「最初からダメかもと諦めずに、まずやってみましょう」とお話しさせていただくことが多いので実感がありました。
処分を急いでいない・家屋の整備費用がある、そういう場合は、水回りの整備を行って貸家にすると、今なら物凄い需要があります。
人が住んでいない家は案外すごい速さで悪くなっていってしまうため、行動を起こすなら早めの方が良いと思いました。
9:45~10:00
講師:司法書士の工藤先生
- 相続登記義務化はR6.4.1から。
- 空き家には管理義務がある。大風で剥落した瓦が当たるなど、第三者の財産や体に損害を与えた場合は損害賠償責任が生じる
- 相続放棄の手続きについて説明
- 相続放棄しても管理責任はついて回る
- 持ち主に代わって行政が放置空き家の解体を行う「行政代執行」にかかると費用負担が生じる
- 国庫帰属制度の利用には費用がかかり、都市計画区域外の農地や森林は面積に応じた金額になる
先生の方の内容は盛りだくさんなので要点のみですが、そのうち記事にまとめてみるつもりです
「国庫帰属制度」とは、簡単に言えばいらなくなった土地を国にもらってもらう制度なのですが、実際にこれを使う人はいるんだろうか?という難儀な制度です。
国に土地をもらってもらうには負担金を納めなければならないのですが、普通の宅地で20万円。田畑も20万円ですが、①農用地区域内の農地、②土地改良事業の施行地域内の農地は面積に応じた金額になります。250㎡で51万500円、500㎡で72万3千円です。森林も面積に応じた金額になり、750㎡で6万5千円、3000㎡で29万9千円。その他、原野や雑種地で20万円です。
き、きびしい
「最後には市や県に寄付すればいい」という考えを封じるためのような制度なので、聞いていてがっかりした方もいたようです。
2部:個別相談会
10:10から11:30頃まで2部の個別相談会になりました。今回は5組の相談者さんがいました。
3ブースに分かれて、各々のブースに宅建協会員が2~3名、その他、司法書士の先生や市空き家バンク担当職員さんが専門的な知識が必要になった時に補助説明に入っていただきました。
参加方法は?
- 対面
- zoom(オンライン)
対面が3組、zoomが2組でした。
業者側としては対面の方が資料の確認がしやすかったですが、県外の方が気軽に参加していただくためにはオンラインがいいなーとは思いました。
個別相談会では何を話すの?
個人的な内容に触れない範囲で、以下のような内容がありました。
参加してみての感想
初回なのでまだいろいろ改善点はありますが、参加不動産屋としては「開催してもらってよかった」と思っております。
私のブースの相談者さんは「手放したい」という意向はあるものの「いつ」「どうやって」等は定まっていない方が多かった印象でした。市や県への寄付は難しいと1部で説明があったことも原因かなとは思います。実際に売却等の利活用が可能かどうかを、持参していただいた資料やお話の聞き取りから判断して方向性の相談を行いました。
その際、相談者さんの質問に対して、回答する協会員でいろいろな回答があったのが勉強になりました。
どのくらいの金額で売り出すのが良いでしょうか
反応がなければ下げればいいので、まずは1000万から売り出してみましょうか。
寄付を考えていたという話があったので、10~100万円くらいで売り出してみるのはどうでしょうか。
と、まあ、このくらい意見が違いました。
売り出すのであれば手残りが多い方がいいという考え方や、売れ残るよりは早く買い手を見つけたいという考え方、いろいろな意見があります。不動産の売却にあたって「何社にも相談する」方は決して多くはなく、依頼した先の業者の考え方に沿って行動される方は多いです。数社から意見が聞ける相談会は相談者さんにとってもよい機会なのでは、と思いました。
他のブースの案件も一筋縄ではいかないものも多く、不動産屋が複数で知恵を出し合うこともできました。
また、司法書士の先生や不動産屋、市役所担当者さんなど、いろいろな立場の人が1つの案件に対して複数でチームを組んで回答するのも普段はないことで、とても貴重な体験でした。
Q&Aにも書きましたが、どこに頼んでも仲介料は法定で定められているので、こういった、業者が多く集まる会に参加して自分と相性の合う不動産屋さんを見つけて、空き家バンクとも連携して、「手放したい人から欲しい人へ」物件をつなげていけると良いと思いました。
第2回も冬に予定されているようなので、興味のある方は市の広報をチェックしてみてくださいね。
それまで待ちきれない!という方、空き家をどうしようか悩んでいる由利本荘市の方は、不動産屋や空き家バンクの担当さんに相談してみてください。
地元不動産業者として、そのお手伝いが出来ればとてもうれしいです。
この記事があなたの参考になれば幸いです!